筑波大学微分幾何学セミナー
2014年度 講演一覧

2014年度春学期 (4〜7月)

4月15日 (火) 15:15~16:45 田崎 博之 氏(筑波大学・数学域)
有向実Grassmann多様体の対蹠集合の系列と評価
概要: 有向実Grassmann多様体の極大対蹠集合は、有限集合内のある性質を持つ部分集合の族と一対一に対応すること、および階数 4 以下の場合の極大対蹠集合の分類を2013年1月の火曜セミナーで示しました。今回の講演では階数 4 以下の場合の極大対蹠集合の分類に現れた対蹠集合の系列を一般化し、これらがいつ極大になるか明らかにします。さらにこの系列を利用して、階数 5 の場合の対蹠集合の大きさの評価を与えます。
5月13日 (火) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟627 田崎 博之 氏(筑波大学・数学域)
複素Grassmann多様体の正則等長変換の不動点集合と二つの実形の交叉
概要: 今回の発表内容は田中真紀子さん井川治さんとの共同研究の結果に もとづいています。 複素Grassmann多様体の正則等長変換全体の単位連結成分に含まれる 変換の不動点集合を記述し、 二つの実形の交叉と正則等長変換の不動点集合の関係を明らかにします。 これにより、交叉が離散的のときに対蹠集合になるという 田中真紀子さんとの共同研究の結果の別証明が得られます。
6月17日 (火) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟627 田崎 博之 氏(筑波大学・数学域)
複素旗多様体内の四元数旗多様体の交叉の構造
概要: 今回の発表内容は入江博さん、酒井高司さんとの共同研究の結果に基いています。 2012年5月に火曜セミナーで「複素旗多様体内の実旗多様体の交叉の構造」という 題名で講演をしました。今回の話はその続きです。前回の講演で定義した 複素旗多様体内の対蹠集合の概念に基いて、複素ベクトル空間の複素部分空間の列 からなる複素旗多様体内の四元数旗多様体同士の交叉が対蹠集合になることを証明 します。前回同様これもコンパクト型Hermite対称空間内の実形同士の交叉が対蹠 集合になるという田中真紀子さんとの共同研究の結果の一部の拡張になっています。

2014年度秋学期 (10〜1月)

11月6日 (木) 15:15~16:45 自然系学系棟 D棟509 本間 泰史 氏(早稲田大学)
The twisted Dirac operators and generalized gradients
概要: 多様体のホロノミー群に付随した同伴ベクトル束上に,gradients(or generalized gradients)とよばれる一階微分作用素が定義できる.リーマン・スピン幾何の場合は,外微分,余微分,共形キリング作用素,ディラック作用素などである.ケーラー幾何の場合は,ドルボー作用素などである.各同伴ベクトル束上に,いくつかのgradientsが定義されるのであるが,それらは独立でなくワイゼンベック公式という関係式が成立し,消滅定理・固有値評価・Kato不等式などに応用される.では,ソースとターゲットの同伴ベクトル束が異なる場合のワイゼンベック公式はどうなるであろうか?別の言い方をすればgradientたちの交換関係式のことである.今回の発表では,このようなタイプのワイゼンベック公式を導き出すことができたので紹介したい.手法は,twistedディラック作用素を用いる.また証明には,表現論におけるPRV予想(1989年に解かれている)を用いる.また,幾何学への応用についていくつか述べる.
1月6日 (火) 15:30~17:00 大仁田 義裕 氏(大阪市立大学)
Geometry of certain Lagrangian submanifolds in Hermitian symmetric spaces
概要: 近年のシンプレクティック幾何学の発展に伴い,ケーラー多様体のラグランジュ部分多様体の微分幾何学の研究への関心は益々のものがある。今回は,その基本的な概念の説明から最近の私の研究やその関連話題について講義したい。とくに,中国・北京の清華大学の馬輝(Hui Ma)副教授との共同研究を含む,標準球面の等径超曲面と複素2次超曲面のラグランジュ部分多様体の幾何学との関わりについて述べる。
2月10日 (火) 15:15~17:15 総合研究棟 B棟108 小野塚 裕人 氏(筑波大学)
曲率が有界な2次元位相多様体の曲率測度について
概要: 曲率が有界な2次元位相多様体に対して,Alexandrov-Zalgaller によって, ガウス・ボンネの定理が成り立つような自然な曲率測度が定義された. ここでは, Alexandrov-Zalgaller による曲率測度の定式化を述べ, 彼らのガウス・ボンネの定理と,その証明の概略について述べる. また,3次元ユークリッド空間内の多面体の構造と曲率測度の関係についての考察を述べる.
2月10日 (火) 15:15~17:15 総合研究棟 B棟108 松崎 真理亜 氏(筑波大学)
コンパクト対称空間の対蹠集合
概要: コンパクト対称空間の対蹠集合の例として射影空間、グラスマン多様体、古典型コン パクトLie群U(n),SU(n),SO(n),Sp(n)の対蹠集合を勉強した。では、古典型コンパク トLie群の随伴群の対蹠集合はどのような形になるのか調べたいと考えた。ここでは 特に、SO(n)の随伴群Ad(SO(n))について述べる。
2月17日 (火) 15:15~16:45 自然系学系棟 D棟509 早乙女飛成(芝浦工業大学)
Heisenberg群上のCR Yamabe方程式に関するLyapunov-Schmidt reduction
概要: Heisenberg群のCR構造を摂動し、摂動したCR構造に関するCR Yamabe問題を考える。 このとき摂動が十分に小さければ、ある条件の下で標準的CR構造に関する標準解を摂 動することにより摂動CR Yamabe方程式の解を得ることができることを示す。

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管理: 田崎博之 
更新日:2019年8月9日